日本時間の2016年7月9日、大西卓哉宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船が国際宇宙ステーション(ISS)に到着しました。日本人宇宙飛行士としては11人目。10月末まで約4カ月間ISSに滞在して、さまざまな任務に取り組みます。
○宇宙飛行士を目指したきっかけとは?
幼い頃に、宇宙をテーマにしたアニメや映画の影響を受けて、宇宙飛行士をめざした方も少なくないようです。
野口聡一宇宙飛行士
「アニメの『銀河鉄道999』や『宇宙戦艦ヤマト』を見て、宇宙に憧れを抱くようになりました。」
山崎直子元宇宙飛行士
「子どものころ、『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』、『スター・ウォーズ』を見て宇宙に感化されました。」
大西宇宙飛行士もほかの宇宙飛行士同様、幼い頃に映画『スター・ウォーズ』を観て、宇宙への探求心を持つようになったのだとか。
さらに大学進学後、映画『アポロ13』を観て感動し「宇宙飛行士になる」と宣言。1998年3月に東京大学工学部航空宇宙工学科を卒業、1998年4月に全日本空輸株式会社に入社してパイロットに。2009年にJAXAの応募者963人の中から選ばれ、2011年7月にISS搭乗宇宙飛行士として認定されました。
○宇宙飛行士の仕事とは?
現在日本人宇宙飛行士が従事している宇宙空間での仕事は大きく分けて2つ。
1.スペースシャトルに搭乗してISSを組み立てるための飛行
2.ISSでの何カ月間にも渡る長期滞在飛行
若田宇宙飛行士は、宇宙空間での宇宙飛行士の仕事について以下のように話されています。
「今まさにISSは「建設」の段階から本格的な「利用」の段階に入ろうとしています。」
宇宙飛行士は、宇宙飛行以外にも、さまざまな地上の業務も行う必要があります。
知力、体力、気力が求められるため、選抜されたあと長期にわたり過酷な訓練や試験が待っています。
そんなタフな条件をクリアして宇宙に飛び立った日本人の女性宇宙飛行士もいます。向井千秋宇宙飛行士と山崎直子宇宙飛行士のお二方です。
○どうすれば宇宙飛行士になれるのか?
■宇宙飛行士の選抜
技術的・科学的な専門知識、英語力そして心身の健康が必須条件になります。
宇宙飛行士の選抜として、書類審査、英語試験、一般教養、自然科学等の筆記試験、面接試験、精神・心理学的な検査等を行い、総合的な評価によって選ばれます。■具体的な募集条件
・自然科学系の大学卒業以上であること
(理工学部・工学部・歯学部・医学部・薬学部・農学部・衛生学部・栄養学部など)
・自然科学系の研究・開発の仕事に携わった経験が3年以上あること
・長期間の宇宙滞在に身体的・精神的に適応できること
・英語で充分コミュニケーションがはかれること(英検1級程度の英話力)
(平成20年「国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士募集」の募集要項より)
最近では、アニメや映画になった漫画『宇宙兄弟』も子どもたちに人気です。
『宇宙兄弟』の主人公であるムッタが、映画『オデッセイ』とコラボしてポスターになり話題になっていました。今後、『宇宙兄弟』に影響を受けて宇宙飛行士をめざす人が出てくるかもしれませんね。
ちなみに、11人の日本人宇宙飛行士は全員日本国籍でJAXAの宇宙飛行士として採用されています。NASAの宇宙飛行士になるには、アメリカ国籍が必要です。
参照:JAXA公式サイト