リオ五輪の開催中、連日ニュース番組では日本代表のメダル獲得の様子が伝えられました。選手たちの頑張る姿に元気や勇気をもらった方も多かったのではないでしょうか。
ニュース番組は、政治をはじめ、社会情勢、事件や事故、災害、スポーツ、天気など、身近な生活の問題から世界情勢までさまざまな二ュースを茶の間に届けてくれます。
今回は、ニュース番組を司会、進行するニュースキャスターの仕事について紹介します。
◎アナウンサーとニュースキャスターの違い
ニュースキャスターについて紹介する前に、アナウンサーとニュースキャスターは何が違うのかをご存知でしょうか?
テレビ局勤務のアナウンサーは、アナウンス部(室)に所属し、ニュース番組では基本的に原稿を読みます。
ニュースキャスターは、報道(ニュース)番組に出演して、司会、進行を行います。ニュースの原稿を読むだけでなく、自分の考えや意見を述べます。
アメリカでは、ニュースキャスターではなくアンカー(anchor、anchorman/woman、anchorperson)と呼ばれることが多いようです。
◎ニュースキャスターの仕事
ニュースキャスターは、ニュースの解説や意見をするだけでなく、専門家やコメンテーターの意見を聞き、まとめながら進行していくことも重要な役割です。一つの事件を取り上げるにしても、伝え方次第で全く異なる印象になりますし、ニュースキャスターの発言が社会に大きな影響を与えることも少なくありません。
2015年のドラマ『○○妻』では、東山紀之さん演じるニュースキャスター久保田正純が、歯に衣着せぬ発言で視聴者の心を捉え、人気キャスターとして活躍する様子が描かれていました。
◎ニュース番組の制作
ニュース番組の制作には多くの人が関わっています。一つのニュースを放送するのに、情報収集から始まり、編集会議や取材を経て、原稿作成、編集へと進めていくのです。そのため、プロデューサーやディレクターをはじめ、数多くの記者やカメラマン、美術スタッフなどと協力しながら作り上げていきます。
『○○妻』の久保田も、良きパートナーであるプロデューサーや女性キャスター、スタッフたちに信頼され支えられ、毎日会議を開き意見を戦わせながら力を合わせて番組を作っていました。
また2006年に放送されたドラマ『トップキャスター』での天海祐希さん演じる椿木春香は、ニュース番組の女性ニュースキャスター役でした。スクープを取ることに熱意を燃やすキャスター役で、自分で取材や交渉を進めていく姿が印象的でした。
◎ニュースキャスターになるには?
現在活躍しているニュースキャスターは、アナウンサー以外では元キャリア官僚やジャーナリスト、スポーツ選手など経歴はさまざまです。
ニュースZEROの嵐の櫻井翔さんや女優の桐谷美玲さんなど、歌手や俳優・女優、タレントの方も増えてきていますね。
ニュースキャスターになるために資格は必要ありませんが、一般の方がなりたい場合はアナウンサ―を目指す方法もあります。
とはいえ、アナウンサ―になるためには、テレビ局やラジオ局のアナウンサー採用試験に合格しなければならず、こちらもかなりの狭き門となります。
アナウンサー採用試験合格のために、大学在学中にアナウンススクールに通う方も少なくないようです。
アナウンススクールは、テレビ局が運営しているため、現役のアナウンサーなどからアナウンスの基礎を学ぶことができます。
もちろんアナウンススクールに通ったからといって必ず合格できるわけではありません。
アナウンサーに興味を持たれた方は、まずは学生を対象とした一日体験アナウンサー講座などに参加してみるのもいいかもしれませんね。
また、大学生であれば、NHKや各民放テレビ局でインターンシップを実施しているので応募してみてはいかがでしょうか。実際の業務体験やワークショップを通じて、働くことの意義を考えたり、仕事への理解を深めたりすることができるのでお勧めです。
小中学生の場合は、NHKスタジオパークに設置している「スタジオパークNEWS」でニュースキャスター、リポーター、カメラマン、お天気キャスター、スタッフ役で ニュースを制作することができるそうです。クロマキー画面の合成体験もあり楽しそう。仕事体験ができるテーマパークなどで、アナウンサー体験をしてみるのもいいですね。
日本国内だけでなく世界各国の出来事を伝えるニュースキャスターの仕事。4年後の東京五輪に向けて、今後ますます重要な役割を果たしそうです。